10,000年を越える陶磁器の偉大なる系譜に想う。私たちは今、陶磁器の精神と存在を再度、その歴史に学ばなければならないのではないか。かつて無造作に産みだされたもののなかから、美を発見し、精神を与え、名器は生まれた。無技巧な碗ひとつにも、非凡を認め、色を感じ、感触を味わい、奇異でもなく主張することもない形に宇宙を観たこともある。生活者の欲求と様式に合致し、新しい提案を示すものは、時代を超え輝き続ける生命力をもつ。 21世紀を迎えた今、大量生産、大量消費、新素材、新技術といった時代の荒波は、陶磁器の精神と存在をどの方向に導こうとしているのだろう。技術至上の前に、創造力は失われていないか。生活者を優しく見つめる温かい人間愛を否定していないか。光輝あふれる陶磁器の偉大なる未来に誓う「国際陶磁器展美濃」は、高度な技術に裏づけられた創造力と限りない人間愛につつまれた未来への提案の場であり続けることを。
ご挨拶
“国際陶磁器展美濃”は、陶磁器のデザイン・文化の国際的な交流を通じて、陶磁器産業の発展と文化の高揚に寄与することを目的に開催する“国際陶磁器フェスティバル美濃”のメイン催事で、1986年に第1回を開催して以来、今回で第13回を迎える国際陶磁器コンペティションです。
本コンペティションは、毎回、世界の著名な審査員によって審査を行っており、様々な国から応募があります。前回は世界64の国と地域から1,292名、2,435点にのぼる応募をいただきました。その規模と質の高さは、正に、現代の世界を代表するコンペティションであります。
このコンペティションにおいて選ばれた約200点の優れた作品は、2024年の10月から11月にかけて、岐阜県多治見市内のセラミックパークMINOで展示することとしており、国内はもとより海外からも多くのお客様をお迎えしたいと考えております。
近年、陶磁器の分野にも、新素材、新技術、領域のボーダーレス化などによる新たな発展が求められており、従来にも増した斬新な提案、そしてやきものの未来を切り拓く作品の応募を期待いたします。
国際陶磁器フェスティバル美濃実行委員会